登記義務化⁈相続空き家放置は禁物②
政府が所有者不明土地対策の関連法案をこの3月上旬に国会に提出する予定です。
その中で、私たちにも大きく関わってくる内容が3つあります。1つ目は「土地・建物の相続登記の義務化」でした。
本日はその2つ目、3つ目について。
「遺産分割協議に期間を設ける」ことです。1つ目の相続登記を3年以内に行わず、かつ相続人申告登記制度(期限までに話し合いがまとまらなかった場合に相続人の氏名、住所を法務局に申告する制度も新設されます)も行わなかった場合にこの法律が適用されます。
改正案は相続開始から10年を過ぎると亡くなった方の名義の不動産を法定相続割合で自動的に相続させてしまう、という内容です。つまり、相続人が希望していなくても法定相続分の不動産を持たされてしまう可能性があるということです。
そうなると、その不動産を処分(売却・譲渡)しようとする場合、遺産分割協議をして相続人の一人に相続させていた場合と比べると手間も費用も大きくかかることになるでしょう。でも、誰も欲しがらない不動産を相続しても…固定資産税だけ支払いつづけるハメになるのもイヤだし。なんて方のために
3つ目の「土地所有権の国庫帰属制度」が新設される予定です。
相続人が不要と判断した土地(土地限定です)を国が引き取る仕組みを作りました。もちろんタダではなさそうです。
相続人は10年分の管理費を支払わなければならないようですが、価値がない不動産を持ち続けることの負担を考えるとそう高い値段設定にはなっていないと思われます。このニーズはありそうですね。
ただし、国の引き取りには、更地が条件だったり(建物があれば解体が必要)、担保無しなど国の審査が必要とのことです。
今回の所有者不明土地対策の一環で、不動産所有者は住所変更をした場合の登記の義務化も含まれています。住所変更については、マイナンバーカード等の紐づけで無料で行えるようになるともっと利用が進むと思われますが、現時点ではそこまではならないようですね。
昨今のデジタル化、マイナンバーカードの普及により登記の環境も数年で大きく変わりそうです。しっかり理解し、便利な道具は利用しながら、仕事を進めていかなければなりません。